シンデレラは王子様と離婚することになりました。
「それではウェディングドレスを選んでいただきましょう」
コンシェルジュの方の言葉に、ハッと顔を上げる。
「ドレス? 今から?」
社長が優しい眼差しを向けて頷いた。
ウェディングドレスの試着。憧れるでしょう、そりゃ、私だって女子なのだから。
ウェディングドレスの試着室に足を踏み入れると、憂鬱な気分が一瞬で吹き飛んで心を鷲掴みにさせるような美しい光景が広がっていた。
「うわ~!」
まず目に飛び込んできたのは、真っ白なレースが広がったドレスたちが、ラックにずらりと並んでいる姿。
まるで小さな宝石が散らばっているかのようにキラキラと輝いている。目を輝かせながら一つ一つのドレスを見ていく私に、社長の顔が綻んだ。
「どれをお選びになっても似合うでしょうね」
コンシェルジュの方の言葉に、社長は自慢気に、
「世界中の誰よりも似合うと思いますよ」
と腕を組みながら言った。
なにを言うんだこの人はと、耳を赤くさせながらドレスを選ぶ。社長はそっと側に寄ってきて、耳元で囁いた。
「全部試着してもいいのだぞ」
「いやいや、迷惑だし疲れちゃうよ」
「俺はいくらでも見ていられるし、ずっと見ていたい」
まるで本当の恋人に囁くような甘い言葉。なんていう恥ずかしい言葉を、まったく恥ずかしがるそぶりなく言えるのか。しかも、耳元で私にだけ聞こえるように言っているので、コンシェルジュにわざと聞かせるための演技でもない。
「これ、素敵……」
輝く上質な絹糸を使ったボリュームのあるスカートに、胸元には煌めくスパンコールがちりばめられている。背中は大きくVカットされていて、腰のラインからリボンの形のように広がるトレーンがとても豪華だ。
一目惚れだった。憧れが全部詰まった完璧なドレスだと思った。
「このドレスを試着してみる?」
社長は私の頭に顎を乗せて、後ろから抱きしめるような体勢で言った。
「うん」
コンシェルジュの方の言葉に、ハッと顔を上げる。
「ドレス? 今から?」
社長が優しい眼差しを向けて頷いた。
ウェディングドレスの試着。憧れるでしょう、そりゃ、私だって女子なのだから。
ウェディングドレスの試着室に足を踏み入れると、憂鬱な気分が一瞬で吹き飛んで心を鷲掴みにさせるような美しい光景が広がっていた。
「うわ~!」
まず目に飛び込んできたのは、真っ白なレースが広がったドレスたちが、ラックにずらりと並んでいる姿。
まるで小さな宝石が散らばっているかのようにキラキラと輝いている。目を輝かせながら一つ一つのドレスを見ていく私に、社長の顔が綻んだ。
「どれをお選びになっても似合うでしょうね」
コンシェルジュの方の言葉に、社長は自慢気に、
「世界中の誰よりも似合うと思いますよ」
と腕を組みながら言った。
なにを言うんだこの人はと、耳を赤くさせながらドレスを選ぶ。社長はそっと側に寄ってきて、耳元で囁いた。
「全部試着してもいいのだぞ」
「いやいや、迷惑だし疲れちゃうよ」
「俺はいくらでも見ていられるし、ずっと見ていたい」
まるで本当の恋人に囁くような甘い言葉。なんていう恥ずかしい言葉を、まったく恥ずかしがるそぶりなく言えるのか。しかも、耳元で私にだけ聞こえるように言っているので、コンシェルジュにわざと聞かせるための演技でもない。
「これ、素敵……」
輝く上質な絹糸を使ったボリュームのあるスカートに、胸元には煌めくスパンコールがちりばめられている。背中は大きくVカットされていて、腰のラインからリボンの形のように広がるトレーンがとても豪華だ。
一目惚れだった。憧れが全部詰まった完璧なドレスだと思った。
「このドレスを試着してみる?」
社長は私の頭に顎を乗せて、後ろから抱きしめるような体勢で言った。
「うん」