シンデレラは王子様と離婚することになりました。
社長はゲストルームのウォークインクローゼットを開けると、ホテルで置いてあるようなパジャマやバスローブ、タオル類などが置いてあった。

「ここにあるものは全部遠慮なく使え」

 さらに化粧台の中には、メイク落としや化粧水などのアメニティ類がしっかり揃っている。

(ガチで高級ホテル。急なお泊りでもなんの不都合もない徹底ぶり)

「そしてこっちの部屋は風呂場と洗面所だ。洗濯乾燥機があるから、少量ならすぐに乾くし、スーツはこっちの除菌用低温乾燥機を使えばクリーニングに出したみたいになるぞ」

 うわ~、凄い。コンビニで色々買ってこようと思っていたけど、その必要は一切ないみたい。

「俺は朝に風呂に入るから、お前はゆっくり入って早く寝ろ」

「なんか、至れり尽くせりしてもらってすみません」

「なに言っているんだよ。俺の嫁になるんだろ。でかい顔して居座っていればいいんだよ」

 社長はにこやかに笑って、私の頭をポンポンと撫でた。
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