シンデレラは王子様と離婚することになりました。
すっかり恋人気取りで側にいたことを思い知る。
(バカみたいだな、私。すっかりうぬぼれていた。大翔にとって私は、都合良く結婚して離婚できるから側に置いただけなのに)
大翔が『離婚しよう』って言ったら、『いいよ』って言って、すぐにでも家を出られる準備をしておかなくちゃ、と心に決める。
それまでは、私は大翔の妻。精一杯、側にいる。
ああ、やっぱり私、大翔のことを好きになっている。
自嘲の笑みが零れる。ずっと前から自分の気持ちはわかっていた。わかっていたけど、言語化していなかっただけ。それなのにどうして今になって言語化してしまったのだろう。自ら傷つきにいくみたいに。本当にバカだなって、呆れる。
「大翔、ご飯作ったよ!」
声を掛けると、大翔はハッと我に返って私を見た。
「え、俺の分も?」
「うん、たいしたものは作れないけど」
テーブルに作ったものを並べていく。
肉じゃがと、たことさきいかのピリ辛マリネに、しらすと水菜のサラダ。土鍋で炊いたご飯と、なめこのお味噌汁。
本当に普通の家庭料理で、盛り付けとかもセンスないし、いつも高級料理店で食べているものに比べたら恥ずかしいくらい劣っているけれど、家で食べるならこんなもんでいいと思う。
「ビール飲む?」
「ああ、うん」
「じゃあ、私も飲もうっと」
大翔は驚いたように、テーブルに並べられた食事を見つめた。
「俺も食べていいの?」
「そうだよ、一緒に食べようよ」
「ごめん、手間かけさせちゃって。俺も手伝えば良かった」
「いいの、私が作りたかっただけだから」
テーブルに座って、ビールで乾杯。
大翔は目を輝かせながら、おかずを取って箸を口に入れた。
「うま……」
静かに感動している様子が伝わってきて、ほっと胸をなでおろす。
「食事に行くのもいいけど、家で作って食べるのもいいよね」
「うん」
(バカみたいだな、私。すっかりうぬぼれていた。大翔にとって私は、都合良く結婚して離婚できるから側に置いただけなのに)
大翔が『離婚しよう』って言ったら、『いいよ』って言って、すぐにでも家を出られる準備をしておかなくちゃ、と心に決める。
それまでは、私は大翔の妻。精一杯、側にいる。
ああ、やっぱり私、大翔のことを好きになっている。
自嘲の笑みが零れる。ずっと前から自分の気持ちはわかっていた。わかっていたけど、言語化していなかっただけ。それなのにどうして今になって言語化してしまったのだろう。自ら傷つきにいくみたいに。本当にバカだなって、呆れる。
「大翔、ご飯作ったよ!」
声を掛けると、大翔はハッと我に返って私を見た。
「え、俺の分も?」
「うん、たいしたものは作れないけど」
テーブルに作ったものを並べていく。
肉じゃがと、たことさきいかのピリ辛マリネに、しらすと水菜のサラダ。土鍋で炊いたご飯と、なめこのお味噌汁。
本当に普通の家庭料理で、盛り付けとかもセンスないし、いつも高級料理店で食べているものに比べたら恥ずかしいくらい劣っているけれど、家で食べるならこんなもんでいいと思う。
「ビール飲む?」
「ああ、うん」
「じゃあ、私も飲もうっと」
大翔は驚いたように、テーブルに並べられた食事を見つめた。
「俺も食べていいの?」
「そうだよ、一緒に食べようよ」
「ごめん、手間かけさせちゃって。俺も手伝えば良かった」
「いいの、私が作りたかっただけだから」
テーブルに座って、ビールで乾杯。
大翔は目を輝かせながら、おかずを取って箸を口に入れた。
「うま……」
静かに感動している様子が伝わってきて、ほっと胸をなでおろす。
「食事に行くのもいいけど、家で作って食べるのもいいよね」
「うん」