シンデレラは王子様と離婚することになりました。
第九章 これから始まる結婚生活
今日はなんだかどっと疲れた。
今朝、おもわず口に出してしまった、離婚の二文字。
大翔と離婚したいのかといったらそうじゃない。むしろ逆で、離婚なんてしたくない。
でも、このままズルズル結婚生活を続けていったら、辛くなるのは目に見えていた。
どんどん大翔が好きになって、離婚することを拒否してしまいそうになるほど。
大翔を好きにならない女だと思ったから私を結婚相手に選んだのに。いつでも離婚できるように。それなのに、好きになって、離婚したくないなんて言ったら契約不尾行だ。そんなの絶対、ダメに決まっている。
だから『そろそろ離婚しない?』って言った。
これ以上、傷つきたくないから。
それなのに大翔は、『また今度な』って言ってはぐらかす。
今度じゃダメだよ、今じゃなきゃダメなの。私が契約破ってもいいの⁉ なんて、そんなこと言えないままこの話は流れた。
『仕事が終わったら社長室に来てほしい』
大翔からのラインメッセージを読み、胸がざわつく。
いつもは別々に帰っているのに、どうしてだろう。
話があるなら、自宅でいいはずだ。わざわざ社長室に呼ぶ意味とは?
今朝は離婚を切り出しているので、余計に大翔の真意が気になる。
深呼吸を一つしてから、エレベーターに乗り、最上階のボタンを押した。
最上階のフロアに降り立つと、社長室のドアが開いて高城さんが出てきた。
「お待ちしておりました」
高城さんは、まるで執事のように上品な微笑みを見せると、社長室に入るように手で促した。
妙に緊張してしまう。大翔はどうして私を呼び出したのだろう。
社長室に入ると、壁際で夜景を見下ろしていた大翔が、おもむろに振り返った。
目が合うと、独特の緊張感が二人の間に流れた。互いが相手の出方を窺っているような目線の交わし合い。
「デートしよう」
大翔は少し不器用に微笑みながら言った。
「デート?」
思わず眉間に皺を寄せて、聞き返した。
今朝、おもわず口に出してしまった、離婚の二文字。
大翔と離婚したいのかといったらそうじゃない。むしろ逆で、離婚なんてしたくない。
でも、このままズルズル結婚生活を続けていったら、辛くなるのは目に見えていた。
どんどん大翔が好きになって、離婚することを拒否してしまいそうになるほど。
大翔を好きにならない女だと思ったから私を結婚相手に選んだのに。いつでも離婚できるように。それなのに、好きになって、離婚したくないなんて言ったら契約不尾行だ。そんなの絶対、ダメに決まっている。
だから『そろそろ離婚しない?』って言った。
これ以上、傷つきたくないから。
それなのに大翔は、『また今度な』って言ってはぐらかす。
今度じゃダメだよ、今じゃなきゃダメなの。私が契約破ってもいいの⁉ なんて、そんなこと言えないままこの話は流れた。
『仕事が終わったら社長室に来てほしい』
大翔からのラインメッセージを読み、胸がざわつく。
いつもは別々に帰っているのに、どうしてだろう。
話があるなら、自宅でいいはずだ。わざわざ社長室に呼ぶ意味とは?
今朝は離婚を切り出しているので、余計に大翔の真意が気になる。
深呼吸を一つしてから、エレベーターに乗り、最上階のボタンを押した。
最上階のフロアに降り立つと、社長室のドアが開いて高城さんが出てきた。
「お待ちしておりました」
高城さんは、まるで執事のように上品な微笑みを見せると、社長室に入るように手で促した。
妙に緊張してしまう。大翔はどうして私を呼び出したのだろう。
社長室に入ると、壁際で夜景を見下ろしていた大翔が、おもむろに振り返った。
目が合うと、独特の緊張感が二人の間に流れた。互いが相手の出方を窺っているような目線の交わし合い。
「デートしよう」
大翔は少し不器用に微笑みながら言った。
「デート?」
思わず眉間に皺を寄せて、聞き返した。