シンデレラは王子様と離婚することになりました。
第十章 消えたシンデレラ
「好きな女性と結ばれたからって、遅刻してくるなんて、恋を覚えたての高校生みたいなことしますね」
晴れ晴れとした表情で午後出勤した俺は、高城から痛烈な嫌味を投げられるも、痛くも痒くもなかった。
「妬むな、人の幸せを」
「妬みとかじゃなくて、スケジュール調整するこっちの身も考えてくださいって言っているのですよ。給料上げてください」
「いいぞ、上げてやる」
さらっと言った俺の言葉に驚きながら、大輪の花が咲くようにパアーっと笑顔になっていく高城。わかりやすい。
「さっすが社長! 今日はこうなることを見込んで、すでにスケジュール調整は根回し済みでございます」
「悪いな」
「なにをおっしゃいますか。社長の我儘にこたえることがわたくしの務め。いくらでもイチャイチャしちゃってください」
給料上げると言った途端にこの変貌。社長秘書でこき使っているので、そもそも高い給料は支払っているが、高城はとにかく金遣いが荒い。
「今の俺は最高に機嫌がいい! なんでもできる気がする! 最強になった気分だ!」
社長室で高笑いをしていると、高城がいそいそと大量の書類を持ってきた。
「その勢いで天下をとりましょう。事業規模拡大のための参考資料です」
「これ全部に目を通すのか?」
「最強の社長にならできます」
高城の目が光った。
「容赦ないな……」
「会社が大きくなれば、それだけ俺の給料も上がりますからね! 社長には馬車馬のように働いてもらいますよ!」
高城は悪魔のような笑顔で言った。完全なる私利私欲で動く男。それが高城という男。若干呆れながらも、やる気の漲るうちに仕事に取りかかった。
今なら空でも飛べそうな気がする。
とんでもない集中力で、いつもの倍以上の仕事をこなした俺は、早々に家に帰ることにした。
晴れ晴れとした表情で午後出勤した俺は、高城から痛烈な嫌味を投げられるも、痛くも痒くもなかった。
「妬むな、人の幸せを」
「妬みとかじゃなくて、スケジュール調整するこっちの身も考えてくださいって言っているのですよ。給料上げてください」
「いいぞ、上げてやる」
さらっと言った俺の言葉に驚きながら、大輪の花が咲くようにパアーっと笑顔になっていく高城。わかりやすい。
「さっすが社長! 今日はこうなることを見込んで、すでにスケジュール調整は根回し済みでございます」
「悪いな」
「なにをおっしゃいますか。社長の我儘にこたえることがわたくしの務め。いくらでもイチャイチャしちゃってください」
給料上げると言った途端にこの変貌。社長秘書でこき使っているので、そもそも高い給料は支払っているが、高城はとにかく金遣いが荒い。
「今の俺は最高に機嫌がいい! なんでもできる気がする! 最強になった気分だ!」
社長室で高笑いをしていると、高城がいそいそと大量の書類を持ってきた。
「その勢いで天下をとりましょう。事業規模拡大のための参考資料です」
「これ全部に目を通すのか?」
「最強の社長にならできます」
高城の目が光った。
「容赦ないな……」
「会社が大きくなれば、それだけ俺の給料も上がりますからね! 社長には馬車馬のように働いてもらいますよ!」
高城は悪魔のような笑顔で言った。完全なる私利私欲で動く男。それが高城という男。若干呆れながらも、やる気の漲るうちに仕事に取りかかった。
今なら空でも飛べそうな気がする。
とんでもない集中力で、いつもの倍以上の仕事をこなした俺は、早々に家に帰ることにした。