シンデレラは王子様と離婚することになりました。
張りつめた雰囲気の中の呼び出しで、普通なら緊張でガチガチになりそうだが、妙に落ち着いている。
「あの日、どうして捺美と昼食を食べに出かけた?」
まるで容疑者に対する質問のように、きつい口調で問う俺に、彼女は臆することなく答える。
「だから、さっきから言っているじゃないですか。近くに美味しいお店があるって言ったら、あの子が行きたいって言うから、じゃあ一緒に行こうかって流れになったのですよ。社長夫人は、社長の許可がないとランチも行っちゃいけないのですか?」
「なんで捺美と話していた?」
「会話しちゃダメですか?」
「ダメとは言っていない。捺美は仕事と関係のない話はしないようなタイプだろ。どうして捺美と仲良くなろうと思った」
「仲良くなりたいとか、友達になりたいとかそういう目的で言ったわけではないですよ。流れですよ、流れ。あるでしょ、そういうの」
彼女の返答に、俺と高城は目を合わせる。
「怪しいな」
「怪しいですね」
「なんですか、怪しいって! 食事に行っただけじゃないですか!」
彼女は心外だと言わんばかりに声を荒げる。
「捺美となにを話していた」
俺の問いに、絶句した彼女はソファにもたれかかって天を仰いだ。
「まじ、めんどくせ~。こんな束縛男と結婚したら、そりゃ捺美も逃げ出すわ」
おい、俺、社長だぞ? その態度と口調はなんだ、と言いたい気持ちをぐっと堪える。
「捺美って呼んでいるのですね。捺美さんはあなたのことをなんと呼んでいたのですか?」
高城が外面の笑顔を顔に張り付けて優しく聞いた。
「普通に桂木さんですよ。私の方が一個年上だし」
「捺美さんへの呼び方は、ただの同僚にしては親しい呼び方ですよね。捺美さんとは友達ではなかったのですか?」
「別に、私は年下のことは基本呼び捨てだから。敬語も使わないし」
(年上にはせめて敬語を使え)
とムカムカしながら隣で聞いている。俺が聞くよりも高城が質問した方が素直に答えているので、色々言いたい気持ちはあるが口を噤んだ。
「捺美とは友達ではなかった、あの子なら友達になってもいいかな……とは思っていた」
「あの日、どうして捺美と昼食を食べに出かけた?」
まるで容疑者に対する質問のように、きつい口調で問う俺に、彼女は臆することなく答える。
「だから、さっきから言っているじゃないですか。近くに美味しいお店があるって言ったら、あの子が行きたいって言うから、じゃあ一緒に行こうかって流れになったのですよ。社長夫人は、社長の許可がないとランチも行っちゃいけないのですか?」
「なんで捺美と話していた?」
「会話しちゃダメですか?」
「ダメとは言っていない。捺美は仕事と関係のない話はしないようなタイプだろ。どうして捺美と仲良くなろうと思った」
「仲良くなりたいとか、友達になりたいとかそういう目的で言ったわけではないですよ。流れですよ、流れ。あるでしょ、そういうの」
彼女の返答に、俺と高城は目を合わせる。
「怪しいな」
「怪しいですね」
「なんですか、怪しいって! 食事に行っただけじゃないですか!」
彼女は心外だと言わんばかりに声を荒げる。
「捺美となにを話していた」
俺の問いに、絶句した彼女はソファにもたれかかって天を仰いだ。
「まじ、めんどくせ~。こんな束縛男と結婚したら、そりゃ捺美も逃げ出すわ」
おい、俺、社長だぞ? その態度と口調はなんだ、と言いたい気持ちをぐっと堪える。
「捺美って呼んでいるのですね。捺美さんはあなたのことをなんと呼んでいたのですか?」
高城が外面の笑顔を顔に張り付けて優しく聞いた。
「普通に桂木さんですよ。私の方が一個年上だし」
「捺美さんへの呼び方は、ただの同僚にしては親しい呼び方ですよね。捺美さんとは友達ではなかったのですか?」
「別に、私は年下のことは基本呼び捨てだから。敬語も使わないし」
(年上にはせめて敬語を使え)
とムカムカしながら隣で聞いている。俺が聞くよりも高城が質問した方が素直に答えているので、色々言いたい気持ちはあるが口を噤んだ。
「捺美とは友達ではなかった、あの子なら友達になってもいいかな……とは思っていた」