今更素直になれとでも!?


「ダメなやつ」



さっきと全く同じやりとり。

目的がよく分からなし、こちらとしては早く言って欲しいんだが。

しばらくの間、沈黙が続く。

長年一緒の仲であるからか、気まずくはない。

が、恥ずかしい。

なにをしたいんだよ、ほんと…。



「…蘭奈」

「…なに?」

「好き」

「…はあっ!?」



碧葉が突然、爆弾発言をする。

こいつ今、なんて言った!?



「え、ちょっ…はあ!?マジで言ってる…!?」

「マジで言ってるが?なに?嘘じゃないんですけど」

「いや、え、待ってっ…!嘘っ…。はぁっ…!?」

「失礼すぎだろ…。まあいいけど。返事が早く欲しいんだけど?」



返事が聞きたいのかは知らないけど。

顔が近いっ…!

どうにか逸らして、横を見るけど、耳元で碧葉の声が聞こえ、自分でも顔が真っ赤になっているのがわかった。

やっと赤みが引いたと思ったのにっ…!

逃げ道がない。

多分、返事をしないとずっとこのままだ。
< 12 / 16 >

この作品をシェア

pagetop