ヒミツの王子様は隠れ歌姫を独り占めしたい


「お待たせ」

 ローソファ前のテーブルに置かれたのは、美味しそうなオムライスだった。

「オムライス!」
「大丈夫だった?」
「大好き! すごい上手~!」
「なんとかね。飲み物はどうする? アイスコーヒー、紅茶、牛乳、あとミネラルウォーターくらいしかないけど」
「えっと、じゃあ紅茶をお願いします」
「かしこまりました」

 その背中を見送り、つい顔が緩んでしまう。

(なんか、すごく幸せかも~)


 羽倉くん特製オムライスは見た目だけじゃなく、本当に美味しかった。
 私がそう絶賛すると、羽倉くんは嬉しそうに微笑んでくれた。
 そして、私たちは色んな話をしながらお昼を済ませた。

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