溺愛幼なじみは甘くて強引
「アリスちゃん。今の私じゃ、やっぱりアリスちゃんに敵わない。どこをとっても、私が劣ってる」

「なに、いきなり……」

「だから、これからがんばる。アリスちゃんに色々鍛えて貰って、頑張って自分を磨くよ。それで……

今度は、私がアリスちゃんを守るから!」

「!」


すると、アリスちゃんからシュンと体の力が抜ける。そして私の頭に、ポコンと。軽めのげんこつが入った。


「い、いたい……」

「こんな事で音を上げておきながら、私に勝つ?フン。いったい何年かかるんだか」

「す、すぐに上達するから!」

「は~。あなたって、本当に図々しいバカね」


だけど、ヒドイ事を言うアリスちゃんの口元には、少しだけ笑みが浮かんでいて。

それを見ると「心から嫌われてないのかな?」って。少しだけ、期待してしまう。


「ねぇ、アリスちゃん。良かったら……

私と友達になってくれる?」
< 108 / 252 >

この作品をシェア

pagetop