溺愛幼なじみは甘くて強引
「いまさらぁ?」

「うっ。つ、ついでに師匠にもなってほしいです……」

「〜っ、はぁ。図々しくて声も出ないわ。どうせ私が“嫌”って言っても、聞かないんでしょ?」

「! ふふッ、うん」


クスクス笑うと、アリスちゃんも「ぷっ」と吹き出した。


「あなたを見てると、色々考えるのがアホらしく思えるわ。けど、そうだなぁ。じゃあ――

この喫茶店で、また一緒にお茶してくれる?そうしたら友達にでも師匠にでも、なってあげるけど?」

「アリスちゃん……っ。うん!行く!そしておごらせてください!」


それを聞いて「まるで授業料じゃん」と笑うアリスちゃん。街灯に照らされた金色の髪が、暗闇の中、キラキラ輝き始めた。


「これからよろしくお願いします!アリスちゃん」

「はいはい」


だけど、街灯が点滅する。すると”キラキラ”は見えたり隠れたりして――その姿を、曇らせた。
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