溺愛幼なじみは甘くて強引
「なわけないでしょ、ハッタリだっての。イギリスは、日本と同じくらい銃規制が厳しいって知らないの?」

「うぅ……。無知ですみません!」


だけど、そっか。さっきのはニセモノなんだね。良かった。

アリスちゃんの演技がうますぎるから、てっきり本物かと思っちゃったよ。


「じゃあ、黒い袋の中には何が入ってるの?」

「え……」


すると、アリスちゃんはピタリと固まった。まるで「触れられたくない」と言わんばかりに。

私は咄嗟に「何でもない」と、手を振って誤魔化したけど……。さっきのは、どういう意味だったんだろう。

あの袋の中に、アリスちゃんの触れられたくない「何か」があるのかな?

そんな事を考えていた時。


「南月ー!」

「え、理央!?」


遠くから、私を呼ぶ理央の声。理央は私たちに向かって、一目散に走ってきていた。
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