溺愛幼なじみは甘くて強引
「大人しく家に帰って。分かった?」

「は、はい……」

「これ以上、余計な事をしたら――どうなるか分かってるよね?」


そんな事を言われては「もちろんです!」と頷くしかなく。結局、私は何も出来ないまま。彼女の背中を、静かに見送った。


「どうしたの?南月」

「理央、えっと……」


さっきの事は他言無用――と言われたけど。

アリスちゃんは、どうしてさっきの事を、そこまで秘密にしたがるんだろう。


「南月?」

「な、なんでもない。帰ろう、理央」


私は「友達との約束を守らなきゃ」って。

それだけの思いで、アリスちゃんから目を逸らし――後ろ髪を引かれる思いで、帰路に着いた。

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