溺愛幼なじみは甘くて強引
9.新たな恋の兆し?*理央*





翌朝、俺は変な光景を目の当たりにした。


「アリスちゃんー!じゃなくて、先生!私に色々と教えてくださいー!」とアリスを追いかける南月。

「来ないで!なんで朝っぱらから南月の相手をしないといけないの!」と南月を拒否するアリス。

「あ、アリスちゃん。おはよう。あの返事、考えてくれた?」とアリスの手を掴み、ニッコリ笑う佐竹太陽。


そんな太陽に、


「え!あ……う、ぁ……!」と顔を真っ赤にさせて、後退するアリス。困ったようにキョロキョロした後、俺を見つけ全力ダッシュしてきた。

そして、


「私が好きなのは理央。理央だけ。あんな奴の事は知らない、見ない。考えない!」


と呪文のように呟き、また走り去るアリス。そして、そんなアリスを更に追いかける南月。

呆然と眺める俺の横で、たった今しがた登校したらしい小枝さんが「なにあれ」と。ジュース片手に、立っていた。


「今のメリーゴーランドは何?」
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