溺愛幼なじみは甘くて強引
「南月なら、アリスと仲良くできるって思ってたから。だから最初から、何も心配してないかな」


ニコッと笑う俺の言葉は、本音だ。南月の人懐っこさは、あのアリスにも届くって。単純に、そう思った。

すると小枝さんが「ケッ」と。不良みたいに、腕を上げて鞄を背中に回した。


「朝からごちそーさま。
胸やけする前に撤退しよ~」

「そっちから聞いたのに」


眉を八の字にして笑う俺を、もう小枝さんは見なかった。代わりに、彼女の視線は、今だ南月に向いている。

小枝さんがどれだけ南月を大事に思っているかが、その優しい瞳から十分に伝わってきた。


「ありがとう、小枝さん」


だけど、不思議なもので。

何の因果か。俺はこの日、あの太陽と昼ご飯を共にすることになる。


「で。結局、理央はどっちの子が好きなワケ?」
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