溺愛幼なじみは甘くて強引
「……その前に。どうして、太陽が俺と一緒にお昼を食べてるの」

「の前に。理央って俺の事、名前呼びしてたっけ?いつから?」

「……お互い様でしょ」

「それもそうか」


おにぎりを持ったまま笑うのは、朝、俺が警戒した張本人の太陽。

どうしてか、俺の机の前に椅子を運び、ニッコリ笑っている。


そんな太陽が話題にするのは、南月のこと。


「最近、南月ちゃんとはどうよ?」

「……それは太陽に教えないといけないのかな?」


ニッコリ笑い合う俺たち。

内心はギスギスしているのを、周りの男子たちは察したらしい。椅子をガタッと動かし、蚊帳の外へと向きを変えた。


「へぇ、すごいね。俺と理央が二人でいると、こうも女子は注目してくれるんだ」

「女子ばかり見てないで、男子も見なよ。明らかに好意以外のものを抱いているから」


俺の言葉に太陽は「え、ほんと?」と、どこ吹く風。この人は、いつも女子しか見てないのかな。

まぁ、いいや。

そんな事より、今は――
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