溺愛幼なじみは甘くて強引
10.保健室でのレベルアップ
なんだか理央の様子が変だと気づいたのは、保健室に着いてすぐのことだった。
「り、理央?どうしたの?」
なぜかベッドに押し倒されている私。
そして、私の腕を組み敷いて、真顔で私を見降ろす理央。
「理央……?」
「……」
何も返事がない。保健室に来るまでは、普通だと思ってたけど……。
教室を出て来た時に顔色が悪かったし、やっぱり調子が悪いんだろうな。
「理央、寝転ぶのは私じゃないよ?理央こそ横にならないと」
「……どうして、そんなに平常心なの?」
「へ?」
「今、俺に押し倒されてるんだよ?」
「あ……」
確かに。大好きな理央に押し倒されているのに、平常心の私。
普通なら顔を真っ赤にして抵抗しそうだけど……でも、今はそれどころじゃないよ。
「私は、ただ……理央の事が心配なんだよ」
「俺の事が心配?なんで?」