溺愛幼なじみは甘くて強引
「お、思い出してって……っ」


急に言われても困る!

えぇっと、前はどんな時にキスしようって流れになったんだっけ。

確か――


「好きだよ、理央」

「……へ?」


そう、理央の事が好きだー!って思ったら、こう、気持ちがぶわっと高まって……。それで、理央にもっと近づきたいって思ったんだ。

だから「好き」って言ってみたんだけど……。

想像以上に効果があったのは、まさかの理央の方だった。


「……っ」

「理央、顔が真っ赤だよ?」

「な、南月がいきなり”好き”とか言うから……!」


私から顔を逸らして「あーカッコ悪い、俺」と悔しそうな理央。
そんな理央を見ていると……、胸がキュウと締め付けられた。

そして絞り出されるように、理央への温かい気持ちが、どんどん私に募っていく。


好き、愛しい、大事――


私を動かすのは、いつも、こういった気持ちなんだって。今、やっと思い出せた。
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