溺愛幼なじみは甘くて強引
深呼吸を何回か繰り返した私。ベッドに横になったまま、だんだんと体の力を抜いた。


「あ……このまま、ちょっと寝られそう」

「そういう事を、俺の前でサラッと言っちゃう所が南月だよね」

「?」


遠い目をする理央。だけど、その瞳は妙にキラキラしていて……。

ん?キラキラ??


「ねぇ理央。もしかして……今のキスで、感動してる?」

「!……しない人、いるの?」

「ッ!」


顔を赤くして、そう答える理央。

その顔には「私と進展できて嬉しい」って書いてある。


「……ズルいなぁ」


強引な事を言ったり、しそうになったりする理央だけど、実は私よりも純情で。

皆には完璧なポーカーフェイスを演じるのに、私の前では簡単に崩したりして。

大きな男の子が私の前で照れたり、瞳を潤ませて感動したり――

理央は「とんでもないギャップの持ち主」だって。

長年、幼なじみをしていて。


今日、初めて気づいた。

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