溺愛幼なじみは甘くて強引
動揺する私を悟ったのか、理央が私をキュッと抱きしめた。すると私は少しずつ安心感に包まれ、落ち着いていく。

そのおかげで、二人の会話に集中することができた。


「前は、たまに保健室に来てたでしょ?でも、最近はサッパリだから」

「その説はどーも。でも大丈夫ですよ」

「そうね、大丈夫そうね」

「……はい」


だけど、少しの間を置いた後――

先生は、こう言った。


「あなたの笑顔を見ると、大抵の人が”大丈夫だろう”って。そう思うのでしょうね」

「!」


その瞬間、布団の中にいる私でさえも、室内の空気が揺れたのが分かった。

息を呑む佐竹くんの声が聞こえたからかな?


「女の子の顔色をみるだけじゃなく、たまには自分の顔も鏡で見なさいね」

「……ご忠告どうも、先生」
< 146 / 252 >

この作品をシェア

pagetop