溺愛幼なじみは甘くて強引
だって、だって!


もう幼なじみの関係に戻れないって思ってたのに、まさか……。

理央が、私と同じ気持ちだったなんて。


「ねぇ、夢……?」

「夢じゃない。けど……ここから先に話すことも、夢じゃないんだよ」

「どういう?」


すると理央は、私の肩に手を置き――そして抱きしめた。


ギュッ


「! 理央……」


理央に包まれ、なんとも言えない幸福感を覚える。


あ、分かった。

幸せすぎて、私このまま溶けちゃうんだ。


でも、それでもいいや。

だって、本当に幸せだから――


だけど、理央の声で現実に戻る。

すごく生々しい現実に。


「俺はさ。南月と付き合ったら、色んな事したいって思ってるよ」

「わ、私も!メールも電話もたくさんして、休日はデートして、」

「それもだけど」

「え?」


この先の衝撃的な言葉を聞いて――

私の浮かれた脳が、音を立ててピシリと固まった。
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