溺愛幼なじみは甘くて強引
11.それぞれの好きの穴
私が二人に追いついた時、そこはまさに修羅場と化していた。
「なんで付き合えないわけー?アリスちゃん」
「だから、あなたの事を好きじゃないの!」
「これから好きになって行けばいいじゃん~」
「そういうの、無理!」
……ん?
今の会話を聞く限り……
太陽くんってアリスちゃんに告白したの!?
え、いつ!?
太陽くん手を出すの早い!
確かにアリスちゃんは可愛いけどさぁ!
二人の仲裁に来た私だけど「今の二人ってどんな関係!?」って、そっちの方が気になる……!
いけないとは分かっていながら、物陰に隠れる。そして、しばらく二人を見守る事にした。
「大体」
アリスちゃんが腕を組んで、太陽くんを見る。その顔には「嫌悪感」と書かれてあった。
「私の事を好きじゃないでしょ?物珍しい転校生を食い物にしようと思ってるだけでしょ?」