溺愛幼なじみは甘くて強引
「そんな汚い事しないわよ」


ムッとした表情で、「貸して」と言ったアリスちゃん。残量が僅かなペットボトルを、再び自分の手に移した。そして――

「ありがとね」と。硬い表情を解いて、太陽くんを見る。


「本音を話して、炭酸を飲んだらスッキリした。聞いてくれてありがとう、太陽」

「え、あ……、うん」

「なんで顔が赤いの?」

「~っ、別に」


まだ夕日が出ているわけでもないのに、太陽くんの顔が赤く染まる。その反応は――と、私の方がドキドキしていた。


「あ、それはそうと。この辺に神社ある?お寺でもいいけど」

「へ?そんな所に行って、何するのさ」
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