溺愛幼なじみは甘くて強引
「早すぎだっての。あー、本当おもしろいな」


フッと笑った太陽くんの顔は、いつも学校で見せる顔とは違うものだった。リラックスした、いい意味で力の抜けた太陽くん。その顔は、いつもより何倍もカッコよく私の目に写った。

そんな彼に、突如スマホが通知を知らせる。電話だ。

プルル――と鳴るスマホをポケットから取り出し、耳にあてる。

太陽くんの第一声は「なに?母さん」だった。


「残業?いいよ。そんな事でイチイチ電話しないで。俺は一人で平気だっての」


勝手に聞いちゃダメ、と分かっていても、太陽くんの話し声に耳を澄ませてしまう。

ドクンドクン――自分の心臓の音が、嫌に大きく聞こえた。
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