溺愛幼なじみは甘くて強引
12.愛の裏返し
まさか高校生にもなって、頭からずぶ濡れになるとは思わなかった。
明日も学校だけど、制服が乾かなかったら、どうしよう……。
いや、それより太陽くんは?
大丈夫なの!?
同じくずぶ濡れになっている彼へ、急いで視線を移す。
太陽くんは、手に持つスマホを見つめていた。そして、何を言うかと思えば――
「……スマホ、壊れた」
「なんと……」
電話終了直後で、スマホを持ったままだった太陽くん。
そんな彼の手は、スマホもろとも――ぐっしょり濡れていた。
どこか反応しないか?と操作しても、画面は真っ暗なまま。
「はぁ」とため息をつく太陽くんは、こんな事を漏らした。
「スマホ、修理費いくらだよ。壊れたなんて言ったら、母さん……また仕事増やしかねないよな」