溺愛幼なじみは甘くて強引
◇
「にしても、すごく感じの良い女性だったよね」
「ずぶ濡れになったけどねー?俺たちもスマホも」
「でもでも!復活するかもしれないよ!?ほら、乾燥剤も大量にいれたし!」
「すごい変な絵面だけどねー」
言いながら、スマホと大量の乾燥剤が入ったジップロックを見つめる太陽くん。
そんな彼は、たった今。
我が家にて、お風呂を終えてホカホカ状態。クシャミをしてないし、どうやら風邪は引かなかったみたい。良かった。
「だいたい、こんなんで蘇るの?俺のスマホ」
「完璧に水没したわけじゃないなら、望みは高いって。ネットに、そう書いてあったよ!」
「ふぅん、そっか……。直るといいなぁ」
リビングの椅子に座り、目を伏せた太陽くん。私は温かい飲み物を作りながら、さっき太陽くんが話した事を思い出した。