溺愛幼なじみは甘くて強引
ホッと安心した私。そんな私を見た太陽くんが、悪い顔して「しかし、ねぇ」と意味深な言葉を吐く。


「まさか南月ちゃんに、覗きの趣味があったとは」

「わー!すみません違うんです、ごめんなさいー!!」


土下座して謝ると、太陽くんは、またカラカラ笑った。


「本当に怒ってないから、大丈夫だよ。それに……俺も、今日ね。

南月ちゃんに怒られるような事を、理央にしてきちゃったし」

「私に怒られる?」


それは一体、どういう事?

あ。お昼に、理央が顔色を悪くして教室から出て来た事と、何か関係がある?


「太陽くん、理央と何かあったの?何か得体の知れない物を理央に食べさせた、とか」

「いやいや。いくら俺でも、そんな子どもみたいな事はしないって」

「そうなの?理央の顔色がすごく悪かったから……」

「顔色が悪い?――へぇ」


太陽くんはニヤリと妖しい表情を浮かべる。そして、小さな声で呟いた。
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