溺愛幼なじみは甘くて強引
「少しは堪えたって事かな?」

「”こたえた”?」


温かい飲み物をテーブルに運ぶ。太陽くんは「ありがとう」と、カップに手を伸ばした。


「家にココアしかなくて……甘い物、大丈夫?」

「大丈夫、美味しいよね。それに――

昔からココアは俺に似てる気がして……嫌いになれない」

「太陽くんに似てる?」


どの辺がだろう。あ、甘いところ?太陽くんの甘いマスクと一緒って事かな?

だけど「違うよ」と。
秒で、本人に一刀両断されてしまう。


「ココアって、見た目コーヒーと同じ”茶色”でしょ?飲んでみて、初めてココアだと分かる。

つまり――ギャップっていうのかな?そういうのが俺と似てる」

「それは分かるけど……でも、太陽くんにギャップってあるの?」


すると、太陽くんは目を細めた。そして「あるよ」と頷く。
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