溺愛幼なじみは甘くて強引
「うぅ……」


どうしたらいいか分からなくて、とりあえず私もココアを飲む。

口の中に甘い味覚が広がって、全身の筋肉が緩んでいくのが分かった。

ほどよく力が抜けた私は、こんな事を聞いてみる。


「そういえば太陽くんってさ。好きな子に意地悪しちゃうタイプ?」

「へ?」

「だって、太陽くん。アリスちゃんの事を好きなのに、わざと炭酸ジュース零したり、間接キスの事でからかったりしてたから」

「ちょ、待ってまって」


太陽くんは私の話を遮る。おでこに手をあてて、まさに頭を抱えている様子だ。

あれ?私、なにか間違った事を言っちゃった?


「俺がアリスちゃんを”好き”?」

「うん。そうでしょ?アリスちゃんの笑顔を見た時――

太陽くん、顔が真っ赤だったよ」

「!?」
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