溺愛幼なじみは甘くて強引
確かに、太陽くんのした事は、アリスちゃんの心をいたずらに弄んだに過ぎない。

一時の慰みのために、簡単に自分を差し出す太陽くんの事も、理解できない。

だけど。

「ヒドイ奴でしょ?」って笑った時の、悲し気な表情を見ると……。ただ太陽くんを責めて批判するのは、違う気がする。

それに――


「でも、今は違うでしょ?」

「違う?何が?」

「太陽くんは、確かに先走って告白しちゃったけど……。

でも、アリスちゃんを前にして顔を真っ赤にさせた、あの時の太陽くんの気持ちは本物だって。私は、そう思うから」

「ッ!」


太陽くんはビクッとした後、気が動転したように、目を白黒させた。

まるで、自分の気持ちと、いま本気で向かい合ったかのように。


「さっきも言ったけど……俺は、ヒドイ奴だから。アリスちゃんの事を、好きにはならないよ」
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