溺愛幼なじみは甘くて強引
2.二人の葛藤
「どうなっても、しらないからね」
「〜ッ、うん!」
ギュッと目を閉じて、唇に理央が来るのを待つ。
視覚がなくなると、一気に耳に集中しちゃって……
私に近づく理央の足音。
擦り切れる布の音。
そして、理央の息づかい。
全てがすべて、これから私に向かってくると思うと――
キスする前から、恥ずかしくて、逃げてしまいたくなる。
だけど、そんな事をした日には「こんなウブな南月と付き合うのは恐れ多いよ」とかなんとか言って、再び振られそうだし。
ここは何が何でも、キスに応える!
意気込み過ぎたのか、むにゅっと効果音がしそうなほど、唇に力を入れる私。
それを見たらしい理央が「ふふ」と笑った。
「可愛すぎて、本当――
南月の全部を食べちゃいたい」
「ん!?」
また物騒ワードが聞こえた!
けど、逃げない。逃げないからね、私!
さぁ来い!理央――!!
「……」
あれ?