溺愛幼なじみは甘くて強引
「アリスちゃんとの事は、心配しないで。同情でとはいえ、告白した手前、付き合うなら絶対に傷つけないよ。

俺は――誰かさんとは違うからね」

「誰か?」

「気にしないで、独り言だから」


そう言って、クスリと笑った太陽くん。同時に、浴室乾燥が終わった音が鳴り響く。


「乾燥が終わった音かな?長居しちゃってごめんね~」

「え、あ……ううん。乾いてるか、見てくるね」


そうして席を立った私の耳に、玄関のチャイムが届いた。

ピンポーン


「お客さんかな?誰だろう」

「……俺が出てもいいー?」

「え、でも、」

「いいから、いいから。俺でも対応出来そうだし」


太陽くんは、誰が来たか分かっているようだった。あ、窓から配達員さんの姿が見えたかな?


荷物を受け取るだけならお願いしてもいいいかな――

そう思い「じゃあお願いします」とお願いして、私は浴室に。そして太陽くんが玄関へ、それぞれ移動する。


だけど、私は知らなかった。

この時の私の判断が、今後の私に、どう影響するのかを――
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