溺愛幼なじみは甘くて強引
私が浴室に干した制服の渇きを調べていると、血相を変えた太陽くんが飛び込んで来た。
『ま、魔王がいる!!』
『まおー?』
『君の幼なじみ!絶対ニンゲンじゃないと思う!!』
『え、理央?』
その時初めて、家に理央が訪ねて来たと理解した私。急いで二人の間に入り、何とか誤解を解いた。
だけど、いかがわしいウソをつかれた太陽くんは、理央にとって目の上のたん瘤なようで……。
『ねぇ早く帰れば?』
『ひどい!』
こんな感じで、無理やり太陽くんに制服を着させ、家から追い出した……というわけだ。
ここで終わってれば、まだ良かった。
のだけど――
『あ、南月ちゃん。悪いんだけど、俺の親に連絡入れといてくれる?スマホが繋がらないって』
『え、でも電話番号を知らないよ?』
『さっき登録しといたから。あ、ついでに俺のものね♪寝られない時は、いつでも俺に電話かけておいで♡』