溺愛幼なじみは甘くて強引
『大丈夫だよ。きちんと話せば、理央なら分かってくれるから。

あ、でも、お母さんとか家の事は言わないから。安心してね』


すると、太陽くんは首を振る。


『言っていいよ。その方が、俺も理央と腹を割って話せるし』

『え、でも……』

『いーの。初めに言ったけど、家庭の事は別に秘密にすることじゃないし。

俺のせめてもの感謝と償いだと思って、全部打ち明けて、理央と仲直りしてね』

『太陽くん……。うん、分かった』


それから、太陽くんは帰って行った。乾燥してホカホカになった制服に身を包んで。

そして私は、静かにふてくされている理央の元へ、階段を上がって向かったのだ。


そして、現在。


理央と合流して、一度だけクシャミをしたら、このありさま。

冷たい湿布に、体温計。そして布団にグルグル巻きにされている。

風邪は引いてないと思うけど……。


理央って、本当に過保護だ。

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