溺愛幼なじみは甘くて強引
「ねぇ理央。全部のことを話したわけだけど、その……まだ怒ってる?」

「……怒ってないよ」

「そっか、良かった」


まだ何か思ってそうな返事の仕方。だけど「それでも納得しないといけない」という理央の表情。理央の言葉と態度に、彼の葛藤が見えた。


「太陽くん、これからアリスちゃんとどうなるんだろうね」

「さぁね。自分で蒔いた種だから、自分でどうにかするしかない……けど、」

「けど?」

「……」


理央は、急に静かになった。

何かを考えている様で――しばらくの間、目を伏せている。

そして、


「だけどアイツが何かをする前に……。先に動かないといけないのは、俺の方だよね」


決心したように、ゆっくりと瞼を開ける理央。その目に少しずつ私が写っていく。


「太陽の事は嫌いだけど、それでも、アイツには覚悟があるからね」

「覚悟?」
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