溺愛幼なじみは甘くて強引
「誰も傷つけない覚悟、かな?」

「誰も、傷つけない……」


困っている女性の人を放っておけない――っていう事かな?

確かに、アリスちゃんと付き合うことになったら”絶対に泣かせない”って言ってたもんね。

それは、相当な覚悟がないと出来ない事なのかもしれない――


「誰かを想うって、覚悟がいるんだね」

「南月?」

「私も、アリスちゃんに負けないって……負けたくないって、そう思ったの。

それは、私にとっての覚悟かもしれないなって。今、思った」

「……そっか」


理央は、フッと笑った。そして寝ている私の頭を、無言で撫でる。

その瞳が、妙に優しくて。理央の全てを、私に委ねてくれているようで。

布団に包まれているはずなのに、なんだか理央に包まれている気持ちになった。


「で、太陽のお母さんに電話はしたの?」
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