溺愛幼なじみは甘くて強引
『あの子の事、よろしくね。また、いつでも遊びに来てね!』

「はい」

『“悪友大歓迎”って玄関に貼っておくわね!』

「それはやめてください」

『フフ』


そして、別れの挨拶をした後。

理央は「ふぅ」と息をつきながら、電話を終える。顔に少しの疲労感が浮かんでいる。


「お疲れ様、理央。私の代わりに電話してくれて、ありがとう」


だけど、お母さんの「悪友」という言葉を思い出して、思わず復唱してしまう。


「悪友かぁ」

「……こら南月。茶化さないの」

「ふふ、ごめんね」


だけどね、理央。私、嬉しかったんだ。

理央が太陽くんの事を「友達」って言ってくれて。いがみ合っていた二人に、太い絆が生まれたようで。

それが、とっても嬉しかったの。


「南月の言う通り……誰かを想う事は、覚悟がいるのかもね」

「理央?」
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