溺愛幼なじみは甘くて強引
14.本音と本気のハグ*理央*
*理央*
「もしもし、うん。俺だよ。今から家の近くまで行くから、出てこれる?」
南月の家を後にした俺が、とある人物に電話をしてから三十分が経った。
今、俺の前には、とある人物――
アリスがいる。
「理央、遅かったね?」
「ごめんね。ちょっとお店に寄ってて」
「お店?」
俺はゆるりと笑って頷いた。そして、ある提案をする。
「ねぇアリス、ちょっと歩かない?」
「……」
笑顔を浮かべていたアリス。だけど俺の言葉を聞いて……何か悟ったのか、無表情へと変わった。
「それは今、聞かないとダメなの?」
「うん。今、聞いてほしいかな」
「……っ」