溺愛幼なじみは甘くて強引
「~っ」


アリスの目から、ついに涙が零れ落ちた。ポタポタ、ポタポタと。

押さえきれない雫が、アリスの頬をすごい速さで滑り落ちていく。


俺の前で、いつもニコニコ笑ってくれるアリス。

そう。アリスは、いつも俺に笑顔を見せてくれたんだ。


――理央ー!


いつも俺に向かって、手を振ってくれた。キラキラ光る髪が、君の存在を輝かせていた。

そんなアリスを見るのは眩しくて、

そして――

そんな君といるのは、いつだって楽しかったんだ。


「理央の、バカッ。こんな時まで、優しく、しないで……ッ!」

「……うん」


アリスが、俺の胸をドンと押した。

俺の体は全く動かなかったけど、初めて見るアリスの姿に……俺の心が切なく揺らぐ。
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