溺愛幼なじみは甘くて強引
「ねぇ、理央」

「ん?」

「どんなけ私に迫っても、理央は理央だから……。私、怖くないよ?だって、もう高校生だよ?大丈夫だよ」


子供みたいに「怖い」って、私が泣きじゃくると思ってるのかな?

理央の中で私は、いつまで経っても幼いままなのかもしれない。


「理央を怖がりはしないよ、大丈夫」

「南月……」


その時。

理央の肩の力が、ふわりと抜けたのが見えた。

私が何を言うのかって緊張してたのかな?だとしたら……。


「理央、かわいい」


「へへ」と笑いながら、理央の顔を覗きこむ私。


その時。


理央の頭の中で「何かのスイッチ」が入ったんだと思う。

だって「南月」と呼ぶ、理央の瞳は――

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