溺愛幼なじみは甘くて強引
長年の片思いを実らせた――

これは俺の覚悟そのものだって。アリスの言葉を聞いて思った。


俺は、南月の事をどうしても諦められなかったから。何があろうと、南月に絶対振り向いてもらうって、そう決めてたから。


どうしても、この愛しい子がほしい――


その覚悟が、今日までの俺を作ってきたのかもしれないね。


「この南月命バカ!バカ理央!!」

「うん、そうだね」

「ちょっとは、否定しなさいよ〜!」


アリスは、俺の胸に顔を埋めた。

ギュッと、俺の背中に腕を回して。


「今だけ、ハグ許してよ……っ。まともに告白してないのに、わざわざフラれてあげるんだから……。これくらい、目をつぶって」

「……うん」

「拒否、しなさいよぉ〜……っ」


優しい理央は大嫌い――と。

アリスは言った。


そうだね、アリス。

俺も、こんな俺が嫌いだよ。


誰にでも公平で、優しい俺。それを残酷な行為だと知らずに、無知にかまけて、優しさをふりかざし続けた。


太陽、南月。そして――アリス。


皆が教えてくれなければ、俺は、ずっと無知なままだった。

皆が本音でぶつかってきてくれたから、俺は気づくことが出来たんだ。
< 200 / 252 >

この作品をシェア

pagetop