溺愛幼なじみは甘くて強引
「アリス、ありがとう」

「何よ、いまさら……」

「俺は、またアリスに会えて本当に嬉しかった。結果的に、君を傷つけることになったけど……それでも、俺は会いたかったよ」

「エゴの塊。最低、残酷。
やっぱり理央は、大バカ……っ」

「うん」


誰かを想うのは、覚悟がいる事――
俺の好きな人が、そう教えてくれたから。

だから俺も、覚悟を持って君を思う。
例え、目の前の人を傷つけても。

それでも――


「アリス。これからも、
ずっと大事な友達でいてくれる?」

「――っ」


更に溢れたアリスの涙。
それを目に焼き付けた時。

いつか太陽に言われた言葉を思い出した。


――君も約束して。アリスちゃんの事を傷つけないって


ごめん太陽。
俺は、約束を破ったよ。

ついさっき「君とは友達だ」って、君のお母さんに宣言してきたばかりなのに。

友達になって、こんなに早く。俺は、君との約束を破ってしまった。

……謝らせて欲しい。君にも、アリスにも。




だけど――

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