溺愛幼なじみは甘くて強引
再び俺の胸を、ドンと押すアリス。

ビクともしない俺の代わりに、アリスが後ろへよろけた。すると、彼女の服から、何かが零れ落ちる。


ポトッ


それは、黒い袋だった。


「これは?」

「あ……」


俺が拾ったのを見て、顔色を変えたアリス。

「見ないで」と手を伸ばしたアリスより先に、開いた袋の口から、中身が見えてしまった。

そこにあったのは――


「これ、懐かしい……」

「理央、覚えてるの?」

「もちろん」


袋から出て来たもの。

それは、白いクマのぬいぐるみだった。

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