溺愛幼なじみは甘くて強引
「うん。だって、理央の中で、私は小学生のままって事でしょ?そんなの、全然意識してませんよって言われてるようなもんだから」

「え、そうなの……?」


「そ-でーす」と、ジト目で俺を見るアリス。

俺、また無意識にアリスを傷つけてしまったのか……。俺のダメさ加減に、自分自身が嫌になってくる。


だけど、そんな中――アリスは笑った。

弾けるような笑顔で。


「ありがとう、可愛い。今度は”ほどほどに”大事にするね!」

「!」

「大事にし過ぎたら、なんか癪だもん!だから、ほどほどに大事にして、ほどほどに可愛がる事にする!」


笑ったアリス。
その顔に、もう涙はない。


「……アリス、ありがとう」

「こちらこそ、ありがとう理央。そして、これからもよろしくね」
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