溺愛幼なじみは甘くて強引
「ありがとうね、理央」


その笑顔を見て、俺もゆっくりと影から出る。


「こちらこそ。ありがとう、アリス」


そして独立した二つの影は、たもとを分かち、それぞれの行き先へ新たな影を刻む。

そして二つの影は、どんどん広がりを見せた。


だけど――


「~っ」


一つの影が、マンションの影に戻って来る。

そして、もう二度とこちらを見ない一方の影を……

見えなくなるまで、ずっと眺めていたのだった。



*理央*end


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