溺愛幼なじみは甘くて強引


そう言えば、前。

わざと炭酸ジュースを爆発させたんだっけ?

それに「心の中に溜まってるもん吐き出しちゃえば?」なんて知ったような口をきくし。

挙句の果てには、


――最後の思い出作りに、俺を使いなよ


なんて。自分が率先して「誰かの代わり」になろうとしてる。


自分の価値を、自分から下げる人……私は嫌い。大嫌い。

だから、そんな人に私が侮辱されるのは、耐えられない。

だけどね。

「自分を大切にしない」そんなあなたをスルーする私自身にも、


耐えられないのよ。


「あ、そういえばさ。この辺の神社とかお寺。ちょっと調べてみたよ」

「……へ?」

「行きたいんでしょ?付き合ってあげるから、一緒に行こ」


そう言って、手を広げて私に伸ばす太陽。

私は、その手を……しばらくの間、呆然と見つめた。
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