溺愛幼なじみは甘くて強引
「アリスちゃん?どうしたの?」

「……」


もしかして、さっき、


――俺と、付き合ってくれませんか?


と言ったのは「神社に行くなら付き合ってあげる」って事だった?

そうとは知らず、私は、てっきり――


「~っ! 太陽のバカ、ばかばか!」

「え、なに?いきなり悪口!?」


私手に持っていたクマのぬいぐるみを、思い切り太陽に投げる。

反射神経が無駄にいいのか、たまたまなのか。太陽は、なんなくクマをキャッチした。


「それ……あなたが持ってて。太陽」

「え、何で俺?」

「分からない。けど……太陽が持っててくれたら、それだけで供養になる気がするの」

「これって、呪いの人形なの!?」


ぬいぐるみを持つ自分の手を遠ざけて「ヒイィ」と悲鳴をある太陽。その姿がおかしくて、思わず吹きだした。
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