溺愛幼なじみは甘くて強引
「ぷ、あはは!呪いの人形なわけないでしょ!」

「え、じゃあ何で供養なんて……」

「私の気持ちにふんぎりつけたくて、そう思ったの。あの時はね。

でも……、もういいの」


急いでお別れをしなくったって。

すぐに未練を断ち切らなくたって。

自分の心の整理がつくまで、ソレは誰かに預かって貰えばいい。

そして悲しみを乗り越えて自分が強くなったら、その時は「楽しかった思い出」として、再び迎え入れてあげればいいって。


やっと、分かったの。


「その人形に会いたくなったら、あなたの家に行くから。いいでしょ?太陽」

「え、え?ええ??」


太陽の、慌てふためく顔。

もう日は沈んだのに――彼の耳に灯る、ほのかな赤色。その赤色に、少しだけ私の鼓動を、乗せてみる。
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