溺愛幼なじみは甘くて強引
「ねぇ太陽、知ってる?ウサギは、寂しいと死んじゃうんだって」
私の手の中にある、茶色のウサギを撫でる。
一方の太陽は「こ、今度はウサギ!?」と、また顔を青ざめた。
「失礼ね。だから呪いの人形じゃないってば!」
「いや~だって、アリスちゃんが供養とか言うから~!」
「だとしても、それくらいでビビらないでよ!」
バシバシと、太陽の腕を叩く私。
最初こそ、やられっぱなしの太陽だったけど、急に真剣な顔になる。
そして、いともたやすく。
パシッと、私の腕を握った。
「アリスちゃん……」
「な、なによ?」
珍しく真剣な顔で、何を言うかと思えば――等身大の自分のこと。
「実はね、南月ちゃんに言われたんだ。俺は、順番が違うだけだって。告白と、好きの感情の順番。
殴られるのを覚悟で暴露するんだけど、アリスちゃんの言う通り――
俺は、アリスちゃんへ好きの感情がないままに、告白しちゃったんだ。
そして、その気持ちは……たぶん、今もない。と、思う……」