溺愛幼なじみは甘くて強引
「……あなたは何もかもの順番が、間違ってそうだけどね」

「う、うぅ……」


シュンとした太陽がおかしくて、思わず笑ってしまう。

そう言えば、太陽といる時の私は、よく笑ってる。いつの間にか、涙も引っ込んでるし。

……そうか。


きっと、私も――


「私ね、太陽といると楽しいよ」

「え」

「理央しかいなかった私に、あなたが急に現れて、戸惑った。

だけど、さっき泣いてた時。思い浮かんだのは、理央じゃなくて……太陽だった」

「アリスちゃん……」


ねぇ太陽。

もしも私が、次に泣いた時。

その時は、また慰めてくれる?

また一緒に、ふざけあってくれる?


「私も太陽と同じだよ。

私の中にある気持ちを、まだ恋だとも愛だとも。あなたの事を、好きとも嫌いとも言えないけど……。

いつの日か、私の視界に写るのは太陽だけがいいって。なんとなく、そう思うの」
< 216 / 252 >

この作品をシェア

pagetop