溺愛幼なじみは甘くて強引
「え――」

「こんな私だけど、えっと……。
これからも、仲良くしてくれる?」


すると太陽は、まるで今まで息をしていなかったみたいに――ヒュッと大きく息を吸って、そして、浅く吐き出していく。

「ハッハッ」と、まるで呼吸困難のような息の仕方に、思わずギョッとする。


「ね、ねぇ、大丈夫なの!?」

「だ、大丈夫……。なんか、こう……胸の辺りが、苦しいだけ。

何かの病気かもしれない……、どうしよう、俺」

「いや、それは病気じゃなくて……」


その時、教えてあげたかった。

太陽の耳、真っ赤だよって。

その胸の苦しさは、病気じゃなくて、


きっと――

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